2007年09月03日

Mission1 人質救出作戦

中央アジアの某国。我々、3rd FORCE RECONは2週間前に偵察を行ったテロリストの隠れ家より、50キロ先の兵站地にいた。簡易的な兵站地ではあったが巧妙に偽装がほどこされ、航空機でも瞬時に発見されないようになっている。基地全体が騒がしい、もうすぐ作戦開始の時間だ。テロリストの隠れ家の偵察により、11名のテロリストと6人の日本人を発見した。日本政府の要請により、日本語のわかる日系人の我々が選ばれ、救出に向かうことになった。人質救出作戦が成功すれば、フォースリーコンの名に恥ない歴史的な1日になるはずだ。馬鹿でかいローター音がCH53Dから聞こえてきた。仲間達が装備の最終チェックを始める。私は隣にいる伍長に装備の確認をしてもらった。さぁ、出発だ。Mission1 人質救出作戦
ゴゴオオォォンオ。大きな作動音とともに後部ハッチが開いた。ヘリのローターが舞い上げる砂塵で視界が悪い。気取った動作で機上輸送員が開口部の脇に立つ。CQB装備に身を固めた男達で機内は酸欠と言っても良いほどだ。機上輸送員がファストロープの降下サインを出した。いよいよだ。仲間が次々とファストロープを伝い、建物の屋上へと降下していく。さぁ、私の番だ。

私は最後に降下した。仲間達はすでに360度周辺警戒を行っている。私が降下用の手袋をカラビナかけると同時に、一つの生き物のように仲間達が動き出した。ラペリング装備をつけた者はロープを使い、降り始める。私は2つある屋上出口の北側から内部に侵入する手筈だ。
Mission1 人質救出作戦
出口からはバディを組みながら階段を下っていく。死角をお互いにカバーし、暗い場所はライトを照射する。銃声が聞こえ始め、無線機から1階で敵と交戦したとの連絡が入る。Mission1 人質救出作戦
Mission1 人質救出作戦
敵がいると思われる部屋の前についた。後ろの伍長にフラッシュバンのハンドシグナルを送る。Mission1 人質救出作戦
すぐにフラッシュバンを取り出した伍長は、すばやくそれを投げた。死角にフラッシュバンが消えた次の瞬間には炸裂し、耳をつんざく大音響と眼も眩む光を発した。Mission1 人質救出作戦
。私は、光の中に飛び込む感じで室内に突入した。目の前には煙の中で固まっている男。手には簡易爆弾と拳銃が見えた。タン、タタン。頭と胸に合計3発撃ち込む。男が倒れる前に通り過ぎる。後ろから鈍い音が聞こえた。伍長が男の股間を蹴り込んだのだろう。古びて窓などない廊下は以外に明るい。崩れたドアがいくつか見える。Mission1 人質救出作戦
崩れたドアがいくつか見える。人質はこの中のどこかにいるはずだ。部屋には動きが無い。ひとまず周辺警戒を行う。ラペリングした仲間から一階を制圧したとの連絡が入る。だとするとここはテロリストしかいない可能性もある。Mission1 人質救出作戦
反対側から足音が聞こえてきた。無線から3階の階段と屋上入口でテロリスト2名排除の連絡がある。正面にポイントを合わせていた伍長が銃口を下げた。階段から降りてきた味方だ。Mission1 人質救出作戦
人質はとなりの建物に移されたのかもしれない。Mission1 人質救出作戦
建物の入り口で、伍長がショットガンを構え、ドアのヒンジを吹き飛ばして、私がフラッシュバンを投げようとしたとき、中から悲鳴が聞こえてきた。部屋に押し込まれるように寄り添う大勢の男女だった。Mission1 人質救出作戦
日本人はやはり6人だったが、この国の人間が10人。ほとんどが着の身着のまま連れてこられた感じだ。Mission1 人質救出作戦
テロリスト達は8人排除したが、他が不明だ。Mission1 人質救出作戦
Mission1 人質救出作戦
そして不安が現実になった。どこからわいてきたのか、建物に向かって増援部隊と思われるテロリストたちが、攻撃してきた。あちこちから、発砲音が聞こえる。伍長を連れて屋上に上がり応戦した。他の者には人質を連れさせて、さきに迎えのヘリがいる建物に向かわせた。Mission1 人質救出作戦Mission1 人質救出作戦
我々もそのビルに到着した。「早く乗せろ!全員だ!全員!」私は叫んだ。人質は恐怖のため動けないでいる。仲間達が人質をかかえるようにしてヘリに乗せていく。Mission1 人質救出作戦
警戒区域に顔を出したとたん、耳元で金属がぶつかるような音が響いた。「伍長、11時!」私が言い放つと、伍長がM4を撃ち始めた。私がまた人質達に叫ぼうとすると、機上輸送員が屈みながら近づいてきた。勿論、言われることは分かっている。「少佐、乗員が多すぎます!全員載せるのは不可能です」私は機内と周辺警戒の仲間に向かって言い放った。「分かっている。おい!ここに残れるものはいないか。勿論、私とだ!」ああ、またかっこつけて心にもないことを言ってしまった。
ほぼ同時に全員が手をあげた。命知らずの馬鹿野郎共が・・・。Mission1 人質救出作戦
私は伍長他2名だけを残した。一人に屋上への出入り口を、もう一人に背後を警戒させ、伍長と私は東側からせまる敵と対峙した。Mission1 人質救出作戦
轟音を残して、シースタリオンは飛び立った。基地から飛び立った予備機とシーコブラの到着には15分以上かかる。Mission1 人質救出作戦
建物周辺は完全に囲まれているようだ。作戦は完璧なはずで、
10分で終わるはずの任務だった。だが現実は違う。敵の数が多すぎる。しかし、敵弾のほとんどはメクラ撃ちなのか、頭上を通り過ぎる。遮蔽物を削るのはその中でも数発だ。弾丸の放つ飛翔音を聞きながら、私は頭の中で少しばかり残ったことを後悔していた。辺りには薬莢が散らばり、緊急戦闘を表す黄色のスモークが焚かれている。Mission1 人質救出作戦
そのスモークの端で伍長が動いている。と、私のM4が弾切れになった。残りのマグはハンドガン用のみだ。攻撃の輪が狭くなったのか着弾が激しくなってきた。ヘリの姿はまだ見えない。伍長は「この糞野郎!」と叫びながらM4を撃ちまくっている。「伍長!ライフルマグはあるか?」Mission1 人質救出作戦
呼びかけると伍長はすぐに近づいてきた。「まだ2本ありますが、ご利用は計画的に」そう行って弾装を渡してきた。この追い詰められた状況で私達は笑った。このクソッタレな場所を絶対に脱出する。そう信じて・・・。Mission1 人質救出作戦




同じカテゴリー(任務)の記事画像
上北鉱山観光
ゲリラ?
NO LIMIT PMC 3
NO LIMIT PMC 2
NO LIMIT PMC
Mission3:潜入せよ(後編)
同じカテゴリー(任務)の記事
 上北鉱山観光 (2009-06-21 22:55)
 ゲリラ? (2008-11-16 01:14)
 NO LIMIT PMC 3 (2008-07-14 22:22)
 NO LIMIT PMC 2 (2008-07-14 14:01)
 NO LIMIT PMC (2008-07-13 22:48)
 Mission3:潜入せよ(後編) (2008-06-16 20:49)

Posted by 少佐  at 23:02 │Comments(4)任務
にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ
にほんブログ村
この記事へのコメント
今回の撮影はついでということで、時間もあまりなく、納得いく写真があまりなかったのですが、メンバー募集のために恥を覚悟で掲載します。またシナリオに一致する写真がなかったりとか、ちょっとちぐはぐなかんじになっていますが、まあ、シロートなんでお許しください。なおシナリオの作者は伍長ですが、写真にあわせたりするため、一部かってに変更しています。
あとで見てみると、装備あわせるて写真撮るとかいって、合ってるのはフライトスーツとブーツだけ?
Posted by 少佐 at 2007年09月04日 17:04
確かに上記2点しか共通点がないけど、それでもいい!
”いかに楽しくなりきるか”これが肝心です。でも中身は一般人・・・。
Posted by 伍長 at 2007年09月05日 02:19
初カキコです。岩手より覗いております。自分も特殊部隊装備が好きでこういった撮影会やってみたいです!!いつか参加できたらいいなあと思ってます

これからもブログ楽しみにしております(^_^)/
Posted by い そ の at 2007年09月17日 14:54
< い そ の 様
コメントありがとうございます。われわれは将来、チームのわくを超えて同じような趣向の装備をした人たちが集まって、撮影会等のイベントができたらいいなあと考えています。サバイバルゲームの活動もあるため、頻繁にはできませんが、是非岩手よりの参加お待ちしております。
Posted by 少佐 at 2007年09月17日 21:44
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。