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Posted by ミリタリーブログ  at 

2010年06月26日

Shadow Company

どもども、KSCからガスブロM4が出ると知りorzな伍長です









先日、STRAC Technologies社のF.A.S.T.システムでお馴染みのEDAさんからコンタクトが有りまして、「『シャドウ・カンパニー』の日本語訳ができたから紹介してよ。DVD送るから」と御好意でDVDを頂きました。
F.A.S.T.システム所有者のMt.N氏には・・・。




シャドウ・カンパニーは『現代の傭兵』であるPMCについて、様々な視点で語るドキュメンタリー映画です。

以下は公式HPからの転載
戦争のルールは変わった。現在のイラク情勢がアメリカ新政権にとって重要な問題の中、『シャドウカンパニー』は数々の賞を受賞した面白くて知的な民間軍事会社に関するドキュメンタリー映画です。プロパガンダではなく、政治的にバランス取られたドキュメンタリーを観たい人にお勧め!

* LEO Awards2007ドキュメンタリー部門において4賞を受賞!
* ハリウッド映画『ブラッド・ダイヤモンド』の制作に当たって調査資料になった!
* アメリカ合衆国議会議事堂にて上映!
* アムネスティ・インターナショナルにも絶賛!

転載終わり

インタビューには政治アナリストや作家、現役のコントラクターが登場しています。
各専門家がそれぞれ独自の視点で『現代の傭兵』について語る構成になっています。
それにより問題点や現状、役割などが少しづつ見えてきます。



序盤では傭兵の歴史が語られています。
・・・傭兵は人類の歴史上最も古い職業のひとつだ・・・
紀元前1200 カデシュの戦いにおいて傭兵が戦った記録がある
中世時代 国家群が新時代を迎え数年間の平和を堪能した
しかし兵士は戦いを求め、傭兵団が作られた
英国への帰国を嫌がったプロの兵士たちが、英国傭兵団としてフランス・イタリアへ・・・
歴史の中に登場する傭兵団は、悪魔の化身として恐れられています。
”傭兵は悪”という考えはこれに起因します。

1980年 ローデシアが独立しジンバブエになりました。
黒人支配のなか白人軍人は居場所を無くし、南アフリカの防衛軍に加わります。
複雑な政治背景のなか、世界初の民間軍事会社”エグゼクティブ・アウトカム”が誕生します。


エグゼクティブ・アウトカムのプローモーションビデオが短いながらも収録されていました。
ケブラーヘルメット・ボディアーマー・ウージー短機関銃を装備しCQB訓練しているビデオです。




そして傭兵とは何か?についての語りが始まります。
傭兵(Mercenary)はラテン語の原義”mearces”つまり報酬のことです
実際は傭兵でも傭兵とは言わず婉曲な言葉を使う”コンサルタント”、”社員”などだ。


会社・カンパニーという言葉の由来は中世ヨーロッパの傭兵団”フリー・カンパニー”だ
民間軍事会社という言葉を広めたのは英国の傭兵会社の努力の成果です


ここでは現役のコントラクターとアナリスト達の温度差が感じられます。
傭兵と呼ぶなという現役と、所詮彼らは金のために働くと言い切るアナリスト達。
複雑ですね・・・。




時おり”イラクからの手紙”というタイトルで、イラクの現役コントラクターのつぶやきが挿入されます。
軽快な音楽と共に皮肉たっぷりの語り口が面白いですね。






1995年3月にエグゼクティブ・アウトカムズはシエラレオネでゲリラを制圧、平和交渉をさせた。
この件において民間軍事会社が国を救うことすら可能なことを示した。


2004年3月、赤道ギニア共和国においてクーデター 未遂が発生。
ロンドンの実業家が集まり、傭兵を雇った結果だった。


フレデリック・フォーサイス
戦争の犬たち は有名ですが、2004年にも同様のことが行われていたんですね。


”コントラクトの選択”では『道義的』『倫理』『報酬』『善悪』などの言葉が飛び交います。
金の為になら何でもするor善のために働く
・・・結局は会社や個人の曖昧な感覚でしかないのでしょうが・・・。

そして”人的損失”
ファルージャでのブラックウオーター社員の事件について触れています。

メディアでは米軍の遺族は頻繁に出てきますが、ここではコントラクターの遺族が登場します。
淡々と夫の死について語る妻の姿には、抑えられない悲しみが宿っていました。


最後はPMCにも規制を設けるべきだとまとめています。
現場側でも経営側でもアナリストの意見でも同様です。


このDVDは民間軍事会社についてのドキュメンタリーの日本語訳です。
ハリウッド映画のような激しい銃撃シーンも”GUNNER”のような迫力ある訓練シーンはでてきません。

淡々と”民間軍事会社とはなにか?”を語る内容です。
そこには目を背けたくなる現実も描写されています。
資料的価値はとても高い内容です。
PMCについて詳しく知りたい方にはお薦めです。


EDAさんのHPではまだ扱っていないようですが、ECHIGOYAさんで購入できるようです。

ではでは~

※0627追記 EDAさんでも直接購入できるようになりました。また、アマゾンのマーケットプレース(EDA出品のもの)は輸入品とありますが、同じものです。


  


Posted by 少佐  at 20:45Comments(10)映画